創作を始めるきっかけはなんだろう。
絵を描き始めるきっかけはなんだっただろう。
小説を書き始めるきっかけはなんだっただろう。
ふとしたときに振り返ることがあります。
私の場合、小説を書き始めたのは『劣等感』と『挫折』からです。
昔、小学生の時分だった私が最初に手に取ったのは絵筆でした。
元々物語を考えるのが大好きだった私は、某鋼錬の主人公くんにトンチキな設定を付加して、紙芝居形式のオリジナルストーリーを描いていました。
人に見せることこそしませんでしたが、勉強机に齧り付いてひたすら描き続ける時間は本当に楽しかったです。
その流れで中学は美術部、高校はデザイン科と、完全に絵の世界で仕事をするのだと信じて止みませんでした。
まぁ結局は、周囲の実力の高さに完膚なきまでに打ちのめされた訳ですが。
デッサンをしようにも、どこまで影が見えているのかわからない。
製図をしようにも、立体物のイメージがまるで湧かない。
ポスターを作ろうにも、構図も色も、題材すら思い浮かばない。
ただ描いていただけの私にとって、突然津波のように押し寄せてきた理論や技術は、もはや逃げるべき脅威に他なりませんでした。
つまり、わからないことがわからなかったんですね。
お陰で卒業までずっと単位ギリギリの赤点常習犯でした。
あれ以来、絵筆を持ち直すことは今でもありません。
そうして自分の実力の低さを痛いほどに実感した私は、高校在学中にある行為に逃げました。
それが『小説』です。
初めは持ち歩いていたレポート用紙に、当時嵌まっていたゲームの二次創作BLを書くところからでした。
しかし小説といっても読書経験の浅かった私に大したものは書けません。
加えて『成し遂げるな』の禁止令を持っていた私にとって物語を完結させるなんて至難の業。
きちんとオチまでついた作品はひとつも生まれませんでした。
それでも不思議なことに書き続けています。
高校卒業から数年後にPCを購入したことで、支部に投稿することができるようになったからです。
ここで始めたのが確か一次創作で、またしてもモリモリ設定のせいで上手くキャラクターの手綱が握れなくて埋もれてしまう子を何人も出してしまいました。
その節は絡んでくださった方に申し訳ないことをしてしまったと反省しておりますが、あの企画に参加できた時間は本当に貴重なものです。
ありがとうございました。
書いてはやめ、また書いてはやめてを繰り返し、全く書かない日が何年も続いていた中でアマサリと出会ったのです。
これが本当の意味での字書きとしてのスタートかなと思います。
以降の活動はツイッターをご覧の方でしたらご存じかと思うので割愛しますね。
思えば何度筆を折ったことだろうか。
その度にセロテープでぐるぐる巻きに直してまた手に取るんですよね。
回り道しまくってて失笑ものだし動機が失礼極まりないのですが、自己を表現する、あるいはキャラ解釈を表現するとなったとき、私の中で一番有効な手段はやはり小説だったのかなって思います。
始まりはどうあれ、いま文字を綴っている自分は好きなので。
いつかまた、長いこと書かなくなる日が来るでしょう。
その際は筆を折るのか、筆を置くのか、気になるところです。
確実に以前の私とは違った活動のし方をしているので、どうせなら置きたいところですね。
その日が来るまでには書きたいネタを全部、何らかの形にしておきたいなぁ。