堕胎告知 ※R18 - 1/4

 セックスを繰り返していると、パートナーはどのような心境で俺を抱くのか疑問に思うことがある。
 自分で言うのも何だが、俺の見た目は女役には向かない。宝石のような大きな瞳もなければ、艶やかな髪もない。骨太で肉付きも悪いため、身体つきは酷く直線的だ。唯一女性的な部分を挙げるとするなら肌の白さだが、血色があまりよくないために、真珠のような滑らかさは皆無だった。つまり、抱かれる側としての魅力が何一つ存在しない身体なのである。
 そんな俺が同性とのセックスにおいて、どうしてか必ず受け身に回るのだ。そこに明確な示し合わせはなく、ただ俺の方がその経験があるからという曖昧模糊な理由で決められる。動機を問うだけ無駄だ。事実なのだから。例えばそれに無粋な推測を立てるとするなら、〝カイザー〟の肩書きを持つ俺を組み敷く行為は、きっと俺が思う以上の快感を覚えるのではないだろうか。たった一夜、ベッドで縺れ合うだけの関係なのだから、少しでも好い想いをしたいという気持ちは、確かに理解できる。だがそれでも、俺を抱きたいと言い張る連中の熱量は解らず仕舞いだった。