それがどうしてこうなったのか。
サリエリは今、両腕をベッドヘッドに括り付けられた状態で仰向けに寝そべっている。もちろん全裸だ。両脚をM字に開かされ、その間には痛ましいほどに勃起したペニスが充血して震えていた。ふるふると揺れる根元はサリエリの髪ゴムで縛られており、射精ができなくなっている。パンパンに膨れたその先端から許容量を超えた白濁が溢れ伝い、異物を銜え込んでいる尻のあわいをしとどに濡らしていた。
異物の正体はアマデウスだ。どこにそんなものをしまっていたのか、凶悪なサイズの剛直が体内を穿つ様は凶器の一言に尽きる。サリエリのモノもそれなりな長さと太さを有するが、それよりも二回りほど大きい。まるで馬のペニスだ。
それをサリエリが目にする頃には遅かった。逃げられない。弱みを握られているためアマデウスの言いなりになり、小さな支配者の望むまま衣服を剥ぎ取られベッドに転がされ、あれよあれよという間に不可能になっていた。どこで覚えてきたのかと問い詰めたくなるほどに慣れた手つきでオナホールを被せられたり、戯れに乳首をローターで責められたりしていると身体はできあがってくる。頭がぼんやりと霞がかってゆき、何も考えられない。
そうして幼気な我が子だと思い込まれていた捕食者は、巧みな手さばきで極上の食材に育て上げていた。
何もかもがアマデウスの思い通りになったところで、次の工程で尻に向かうのはごく自然な流れだ。初めは指で筋肉を弛緩させ、ローターを挿入して拡張と性感磨きを同時に行う。ひくひくと腸壁が蠢きだしたところであの凶悪なペニスで貫通する。
痛みは殆ど皆無だった。貫かれたサリエリはぼろぼろと涙を零しながら悲鳴を上げる。「むりだ、はいらない」と首を振っていたのに、聞き入れてもらえなかった絶望で更に泣いた。そしてアマデウスの思惑通り奥まで中に収まってしまい、サリエリは何の言葉も発せなくなった。
――ぐちゅ、ずぷ、ぐぷ。
「あ、うぅ……んんっ、はぁ……あぁ」
こんな音が自分の尻から鳴っているだなんて知りたくない。媚びるようなはしたない声が自分の声だなんて信じたくない。サリエリは声を出すまいと必死になりながら、体内の異物を吐き出そうと懸命に息む。しかし声を抑えようとすれば余計に性感を刺激されるし、息めば中が拡張されて尚更侵入を許してしまう。少し冷静になれば逆効果だと判るのに、立て続けに与えられる性的快感によって麻痺した脳は正常な思考を失っていた。
「ん、ゃ……ぁ……はぁ、ん……」
アマデウスによる侵食は続く。遂に致命的な誤作動を始めたサリエリの脳は、ごく身近な感覚にですら性的興奮を覚えるようになってしまった。今もなお鳴り響く水音に反応して身体が徐々に熱を帯びてゆく。粘液同士が擦れ合い、前立腺を抉られる。触覚と聴覚と、両方向からの刺激を受けて遂にサリエリの理性が焼き切れた。力を失った顎。だらりと弛緩した口の端からは唾液が零れ、唇はてらてらと光沢を放つ。
サリエリの蕩け顔を見たアマデウスが身を乗り出して顔を近付ける。小さな舌を伸ばし、銀の線を描く顎から口元にかけてチロリと舐め上げる。そんな柔い触れ合いですら脳は性的接触として誤認し、サリエリは湿った吐息を漏らした。
「ふふっ……あまぁい……♡」
「はぁ……ぁぁん……」
アマデウスが前傾姿勢になったことで熱棒の位置が僅かに浅くなる。奥を暴かんとしていた異物が、今度は焦らすような動きに変わった。粘液が混ざり合う音が心なしか激しくなったような気がする。大量に投入されたローションとアマデウスのカウパー液とが掻き混ぜられて泡立つ。汚い排泄音を伴って溢れ出した。ヌルつく尻。身を捩る度にぐちゅ、と音がした。
「とってもきもちいいねぇ、パーパ……」
愛らしいボーイソプラノが恍惚的な音色を奏でている。顎を舐め取っていた舌が徐々に下がってゆく。首筋をなぞり、鎖骨の溝を犯し、乳首を扱いて臍を穿つ。唾液が齎す潤滑で摩擦が軽減されているため、もどかしいながらも純度の高い快感がサリエリを襲う。まるで脊椎が溶かされたように、サリエリの身体はくなりとしなった。
「ぁぁ……んぁ……ぁふ……う、あ……」
言葉を紡ぐだけの思考はとうに溶けきっていた。アマデウスの問いかけにすら反応ができず、じわじわと輪郭を失っていくような快感に鳴くことしかできない。
慣れとは恐ろしいものだ。ぬるま湯に浸かるようなむず痒い刺激を受け続けているせいか、身体は決定的なものが欲しいと求め始めた。揺れる腰に併せて下腹がひくん、ひくんと収縮する。僅かに掠めた前立腺からの刺激に肉筒がきゅう、と締まる。もっと奥へほしいのに、くれない決定打。苦しくてくるしくて、サリエリの瞳は徐々に潤んでゆく。
「あんんんっ、や……あ、あぁぁ」
艶を伴った泣き声を上げた。もじもじと全身を捩り、開かされた両脚をもっと大きく広げる。
「どうしたの?」
クスクスと可笑しそうにアマデウスは首を傾げた。
「あ、あぁ……ぅ」
「ふふ、ヘンなパーパ。してほしいことがあったらじぶんの口で言いなさいって、いつも言ってたじゃないか」
知っているくせに。相手が子供であることを忘れて悪態を吐きそうになったが、蕩けきった舌でそれは叶わない。ぼろぼろと零れ落ちる涙をシーツに染み込ませて、サリエリは健気にも腰を振り続けた。もっとほしい。こんなものでは足りない。
お願い。おねがい。
上ずった泣き声を艶めかせて必死に訴える。
自分で動いたお陰で幾許か刺激は強くなったが、サリエリは新たな問題に直面して苦痛に苛まれた。性器が痛みを訴えている。縛られたままだからだ。
「あぁう……あ、あ」
射精を封じられたペニスは赤黒く充血し、今にもはち切れそうだった。どくどくと浮き上がった血管がよりグロテスクな様相を示している。なだらかに膨れた幹。パンパンに腫れ上がった袋。
くるしい。
はやく出して解放されたい。
サリエリの脳はその一点に支配された。
「イきたいの?」
「あァーーーーッ!」
小さな指先が亀頭をなぞる。細やかな触れ合いだが、鈍の針で貫かれるような刺激に腰が跳ね上がった。甘ったるい声は鋭い悲鳴に変わり、やわやわと蠢いていた体内はアマデウスの精を搾り取るかのように激しく収縮する。
サリエリのペニスがぶるりと震えた。しかし鈴口からは漏れ出るようにしか白濁が放出されない。迎えたはずのオーガズムは忌々しい髪ゴムによって堰き止められてしまったのだ。
ぐるぐると逆流してゆく熱が再び体内に溜まり、暴れ出す。先程よりも敏感になった身体は、最早ベッドシーツに触れる刺激にすら快感を見出していた。
「ホラ、イったでしょ? なのになんでまだ泣いてるの? どうしてほしいの?」
「あっあっ、あぁ、ぁふ、ううぅ……」
許容量を超えた熱が淫らな毒に変わり、サリエリを蝕む。
「ねぇ、言ってくれないとぼくわかんない。ずっとこのままでいいの?」
「ぅぅあ、い……いきたい……いきたい……ぃ」
「さっきイったじゃん」
「ちがっ……だした、ぃ……だしたいぃ……!」
全身に回った熱毒が暴れだす。性的なことしか考えられなくなり、その終着点であるオーガズムを求めてサリエリは必死に口を開く。舌っ足らずな科白。これではどちらが年下か判らない。
だしたい。くるしい。たすけて。
ぐずぐずに蕩けきった顔で泣き続けるちちおや。救いを求めて上げる声は小さな幼子に向けられている。汗ばむ肌は皮膚同士をしっとりと癒着させ、蠕動する肉壁は中の楔を掴んで離さない。
「あぁぁぅぅ……ぉ、ぉねが、ぃ……」
アマデウスがニヤリと笑った。
「いいよ。パーパがじょうずにイけたらかんがえてあげる」
小さな両手がサリエリの内腿を押し上げる。
――ごちゅん!
巨大な袋と襞とがぶつかった。
「ほ♡ お゛お゛ぉぉーー♡♡」
直腸の更に奥へ到達した瞬間、ボコンと下腹の皮膚が突き上がった。アマデウスの巨大なペニスがS字結腸を暴いたのだ。ゴツゴツと、鈍い音を立てて何度も穿つ。前立腺と比較にならない強烈な快感が立て続けに襲い、サリエリの全身はがくがくと震えた。
「ひぐ♡ んあ゛あ゛ぁ♡ ひやぁ、ひやらぁぁ♡♡」
「あははっ! ヘンなカオー!」
――ぐぷん、ごちゅ、ぐちゅ、じゅぷ。
「あ゛あ゛~~♡♡ あ゛、お゛ぉ♡♡♡ う゛ぉるふぃ……う゛ぉるふぃぃ♡♡」
「なぁに? パーパ。そんなドロドロでえっちなカオをしてどうしたの?」
「ひゃあ゛ぁ♡♡ とってぇ……こぇとってぇぇ♡♡♡」
「でもすごくきもちよさそうだよ?」
「いやぁぁぁ~~♡♡ とって、とってぇぇ……ヒッ!? ッ~~~♡♡♡♡♡♡♡」
「ホラまたイった。ふふっ、パーパったら鼻水でてる~♡ かーわいー♡」
きゃらきゃらとはしゃぎながらも、アマデウスの凶悪な腰遣いは止まらない。絶えず奥を暴き続け、狭く喰い締めるような感覚に凶器は更に膨張する。そのせいで中の圧迫はより強くなり、必然と性感帯を擦る刺激も強くなる。常に電流を流し込まれているような感覚と、許容量を超えた熱にサリエリの本能は悲鳴を上げた。涙と涎と鼻水と、あらゆる体液でぐちゃぐちゃになった顔を歪ませて、限界を訴える。暴れ狂う熱がはち切れた後どうなるか。そんな考えが鈍った脳内を過り、恐怖に全身が支配される。
「じゃあ……そろそろとってあげるから、〝パーパはぼくのものです〟って言って?」
だからこそサリエリは相手が子供だろうが、形振りかまってはいられなかった。
「わ、わたし、は……あっ、はぁん♡ う゛ぉるふぃ……ひぃ♡♡ ぃ、のぉぉ~♡♡♡ やぁっ、あひぃ♡♡ ~ッあ~♡♡♡ むりぃ、むりぃぃ~♡♡」
「だめだよ。このまま言わなきゃ」
「ッあ~~~~♡♡♡♡」
「ほらほら。はやくしないとイきっぱなしになってなぁんにも言えなくなっちゃうよ」
――じゅぶ、ぐじゅ、ずぷぷぷ。
「はあ゛あ゛ぁぁぁぁぁんんんん♡♡♡♡ わらひはぁ、あぅう♡♡ うぉる、っんん! ひぃ、の、ぁぁひゃ……もの、れす、ぅぅぅ!」
「ふふっ、よくできました♡」
――ずちゅん。ぶしゃぁぁ。
「ひああ゛あ゛ぁぁぁぁ~~~~~~~♡♡♡♡♡」
ようやく戒めから解放されたサリエリのペニスから、勢いよく白濁が吹き上がる。まるでホースから水が出るかのように大量に放出された精液は、サリエリの腹のみならず胸や顔までも汚してゆく。ガクガクと震える腰に大きく仰け反る背。止まらない。一向に止まらない。尿道を、絶えず粘液が駆け上がって放出される。溜めに溜め込んでいたものを吐き出す開放感が気持ちよくて堪らない。タンクの中身が空っぽになってゆくのを感じながら、サリエリの意識は徐々に微睡んでゆく。
「……ぁー、ぁー……ぁぅ……」
「あーあ。イきすぎてトんじゃってるよ。ふふっ、かわいいパーパ」
「ぁぁあっ♡ ……ぁ♡ ぁぁぁぁ♡♡」
尻の奥でぐちゅん、と音がする。絶頂の上から新たな快感を注ぎ込まされて、萎みつつあったサリエリのペニスはまたしても硬度を持ち始めた。ひくひくと蠕動を続ける腸内はまるで女の膣のようにアマデウスの精を欲しがる。真っ赤に充血して捲れ上がった肛門の襞からは白濁とした粘液が零れる。緩く身体が浮き上がってゆくような快感。これまでの暴力的な激しさとは違った丁寧な性感にサリエリの身体は歓喜に震えた。
火照った顔はだらしなく弛緩する。平素は鋭くも慈愛に満ちたピジョンブラッドの瞳がはしたなく蕩けて熱っぽく細まっていた。切なげに寄せられた眉は精悍さを失い、耐えがたい悦びに震えている。閉じることを忘れた唇は自身の唾液でてらてらと光沢を放ち、まるで食べてくれと言わんばかりである。自分でそうしたのだが、想像を遥かに超えるちちおやの様変わりっぷりにアマデウスは笑いながらごくりと生唾を飲み込んだ。
これで準備は整った。いい加減限界だったアマデウスは何度か腰を打ち付けると、サリエリの中へ射精する。
「……ぁ、ぁっ♡ ぁぅ♡ ぁつい、あついぃぃ♡♡」
腸内に勢いよく放出されるアマデウスの精液。人間相手ではまずあり得ないほどの量と勢いに、サリエリの性感帯はまたしても刺激を受けた。腸壁に叩き付けられる快感で熱が再び膨張する。体内がどんどんとアマデウスの精で満たされてゆき、顔を出し始める圧迫感が気持ちよくて堪らない。まるで馬のような射精量に、サリエリの腹はなだらかな膨らみを帯びていった。
「……っ、はい、おわったよ」
「っ、は……ぅく……はふ、ぁ♡ ふ……」
「くるしい?」
「ぅ……く、くるし……っ」
アマデウスの宣言通り性交は終わったはずなのだが、未だ互いの肉は繋がったまま。出口を塞がれた腹の中はアマデウスの精液でパンパンに満たされている。ぽっこりと膨れた下腹。アマデウスは、その小さな手を伸ばして愛おしげに撫でた。うっとりと目尻を綻ばせながら熱っぽく口を開く。
「パーパのなか、ぼくでいっぱいだね……ふふ、うれしい……」
そろり、そろり。臍の下を左右に動く掌。その持ち主が身動ぎする度に秘所を貫いたままの熱棒がぐちゅりと動き、前立腺を僅かに掠めてゆく。その微かな刺激ですらサリエリの身体は逃げを打つ。しかしベッドに拘束されている以上、無駄な足掻きであった。
アマデウスの両手が、再びサリエリの膝裏を掴んだ。
「ぼくのものになったらパーパとしたいと思ってたことがるんだ」
ねえいいでしょ?
無邪気な捕食者は放心状態の被食者の胸中など知る由もない。ゆらゆらと焚き付けるように腰を動かしながら、アマデウスは更に精を注ぎ込んでゆく。
「ぼくずっとパーパのことがすきだったの。ずっと、パーパのことおよめさんにしたいって思ってたの。ねえいいでしょ? パーパはぼくのものですって言ってくれたんだから、およめさんにしてもいいよね?」
「あ、あぅ♡ ……や、ぁ……んぁ……♡」
――ぐちゅん、ごちゅん、じゅぷん。
「あぁぁん♡♡ はらぁ♡♡ あぁっ、はらがあぁ! さけるぅぅ♡♡♡」
暫し凪いでいた快感の波が急激に襲ってきて、サリエリの腰が何度も跳ねる。ゴツゴツと体内の精を激しく掻き混ぜられる衝撃で、脳がショートを起こしている。ペニスを押し込まれる度にぐぐ、と膨張する腹が苦しいのに気持ちよくて堪らない。回らない舌を必死に動かして訴えるも、口を開けばあられもない悲鳴しか上がらないためろくな言葉にならなかった。
アマデウスはなおも腰を打ち付けながら「ねえいいでしょ?」と言質を取ろうとしている。ゴリゴリと前立腺を抉り何度も結腸をぶち抜き、恐ろしく的確にサリエリを性的に追い詰めてゆく。既に蕩けきった脳を更に蕩かせて、正真正銘の番となろうとしていた。
「きもちいいでしょ? くるしいでしょ? パーパがいいよって言ってくれたらくるしいのなくなるんだよ?」
天を向いて蜜を零すサリエリのペニスに顔を近付ける。小さな口を目一杯に開けて雁首をパクリと食む。ねっとりとした熱の感触に射精欲は急速にせり上がり、つい先程味わった地獄のような快楽が再び訪れる恐怖にサリエリはシーツの上をのたうち回る。唾液をたっぷり含ませた舌が、亀頭を舐め回す。下から上へ勿体つけるようになぞったかと思うと、今度は鈴口の周りをくるくる回る。時折ちゅう、と先端を吸われ、ピリリとした刺激がサリエリの腰に重い熱を齎した。ぞくぞくと背筋を駆け抜け、徐々に尿意のような焦りが出始めた。
「ぁあ! あ、だめ、ダメぇ♡ ひぅ、もう……イく、イく……ぅ、んん♡♡」
「じゃあパーパのこと、およめさんにしてもいい?」
「いい! いいからぁ! あっあぁ、や♡ はやく、はやくはやくぅ♡ ぅぅぅんん♡♡♡」
前と後ろと同時に責められる。小さな悪魔にはどんなとんでもないことを求めてきているのか、最早サリエリには理解できなくなっていた。芯までドロドロに溶かされた身体はひたすらに欲を求めてくなくなと揺れ、ほんの些細な触れ合いですら性感を拾い上げて震えるだけ。子供が犯した非道徳を咎めるどころか、もっとほしいと声を上げる。腹の内側を押し上げる圧迫感がきもちいい。腹の中を掻き混ぜる水音がきもちいい。アマデウスの唇から零れる甘えたなボーイソプラノがきもちいい。己の喉を震わすはしたない嬌声がきもちいい。
きもちいい。
五感で感じるもの全てが気持ちよくて堪らない。
サリエリは自身の両脚を小さな身体に絡ませる。
視線の先には、愛くるしい笑顔の天使がいた。
「かわいいパーパ。ぼくのせーえきいっぱいのんで、いっぱいあかちゃんつくろうね」
天使の瞳は赤かった。