僕だけが知る碧色 ※R18 - 3/3

 今日の産声は雀の鳴き声に似ている。
 誕生を祝す天気は清々しいほどの快晴だった。

 今日と共に生まれなおした俺は、再び皇帝・・を演じるべく身支度を進める。
 鷹のようなな眼差し。
 真一文字の唇。
 笑顔を知らない表情筋。
 冷徹な印象を与える風袋を身に付けて、それらの要素がひとつも損なわれていないか鏡の前で確かめる。
 そうして、周囲が求める丸藤亮・・・が外へと送り出されるのだ。

 何重にも着込んだ装甲の下に何が入っているかなど、誰も知らないだろう。
 それでいい。それでいいのだ。

 それで、吹雪との生活が守られるのなら。
 俺は、このままでいい。

 このままがいい。